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「桜華茶房」の創作戦国についてのログです。 BASARAの創作奥様もここに置いてあります。
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以前UPしていたものを再度UPしました。
多少書き直しました。
創作盛親×奥様です。
この叔父、甥っ子夫婦大好きです!!
奥様は信親さんの娘さんです。
ちなみに沫雪というのは創作の名前です。
史実だと、盛親と奥さんが結婚するのは元親が死ぬ間際なのですが
ある意味パラレルということで
叔父さんやお母さん、お父さんが生きている間に
盛親と奥さんが大きくなって、
少しずつ惹かれていった‥という話になっています。
史実だと、吉良は早いうちに亡くなっているので‥(汗)
捏造苦手な方は避けてくださいませ‥。
個人的にはお互いに好きあってはいるものの、
叔父と甥っ子の一線をなかなか越えられなければいいなって思います。
それで、盛親が一杯いっぱいだとなお良い感じです(笑)

新年の祝いの席。
参列した盛親は叔父達に囲まれて辟易していた。
ただでさえ、酒はそんなに好きじゃないのに。
叔父達は気にもしないで注いでくる。
それだけなら我慢できるのだが、我慢できないこともある。
それは‥。

「盛親もそろそろ結婚する年だなぁ」

そんな風に呟いたのは父親の一つ下の弟、親貞だった。
思わず盛親は飲んでいた酒を吐き出しそうになった。

「あぁ‥、そうだったね」

頷いているのはその下の弟、親泰。

「どだッ!好きな女とかいないのか?」

がしっと肩を掴まれて、苦笑いする。

「い、いえ‥別に」

いつもは悪友とあっちこっちフラフラして、
元親の子供の中では一番自由奔放な息子だが色恋沙汰には疎い。
基本的に苦手なのだ。

「そうは言っても、女郎屋とかには出入りしてるんだろ?」

親貞の言葉に盛親は慌てる。
慌てた理由は簡単。
母親が同席していること。
それと‥‥。

「あの‥、親泰叔父様?よかったら」
「あぁ‥、ありがとう、沫雪ちゃん」

親泰にお酒を注ぐ儚い容姿の少女・沫雪。
この子がいるからだ。

「お!沫雪、美人になったなぁ‥。今幾つだったっか?」
「十四です」

”そっか、もう雪は十四か‥”

その可愛らしい横顔をボォッと見つめ、思う。
自分より十くらい年下なのだから、当たり前か。

「沫雪は意中の人がいたりしねぇのか?」

ははっと笑い、親貞が聞くと沫雪は頬を赤くして俯いてしまう。

「ちょ、親貞叔父さん、止めて下さいよッ!雪には早すぎますって」

盛親は慌てて、親貞を止めようとする。

「そんなことねぇだろ?だって、十五で普通嫁ぐ訳だし」
「そ、‥それは‥」

そうだけど‥と言いよどみ、盛親は俯く。

「そう言えば、盛親は沫雪ちゃんを特別可愛がっているよね?」

そこににこやかに口を挟む親泰。
バッと盛親は顔を上げて、狼狽える。

「そ、そんな事ないッ」

思わず地が出る。

「そういやそうだな。仲の良い兄妹みてぇだもんなぁ。
ははっ、こりゃぁ‥沫雪が結婚するなんて言ったら
最初に猛反対するのは盛親かもしれねぇな」

冗談交じりに親貞が言うが、
盛親はもうどうしていいやらで立ち上がって真っ赤な顔で否定する。

「そんなんじゃないって!
雪は妹みたいに大切だけど、別に反対なんかしないッ!
沫雪が好きな奴なら、口出さないッ」
「あはは‥意外に盛親が
沫雪ちゃんをお嫁さんにしちゃったりするかもね」

そんな親泰の言葉にますます赤くなる。

「おッ、叔父と甥っ子が結婚なんかする訳ないだろッ!!
俺が四男で、何時までもフラフラしているからからかってんだろッ。
俺だって、好きな女の一人や二人いるさッ」

そう言って、ハッと盛親は沫雪を見た。
沫雪は赤く染まった頬のまま、俯いている。

「‥お、俺‥酒に酔ったから、水飲んでくる」

盛親は顔を隠すようにして、宴を後にした。

***

「‥最低」

毒づいて、井戸にもたれかかる。
叔父達の冗談が図星だったから大慌てし、結局墓穴を掘った。
一番好きな女の子を目の前にして、
好きな女の一人や二人とか叫んだのは最低の極みかもしれない。
再度溜め息を吐いて、項垂れた。
沫雪の顔が頭から離れない。
きっと、軽蔑したかもしれない。
いや、あの子のことだ。
まだ恋愛には疎いかもしれない。
それなら分かられずに済んだかもな‥。

「お兄様」
「っ!?」

いきなり声をかけられ、盛親はびっくりし、固まった。

「あ、あの‥お兄様?」
「あ‥、ゆ、雪」

そこにいたのは今まで考えていた沫雪。

”こんな時に!?”

内心慌てるが大人の余裕というか、
要は意地を張っているだけだが盛親は平静を装って

「何か、用か?」

と尋ねた。

「え‥?あ、お兄様が酔われたと言ってらしたので心配で」

ここに‥と小さく呟く沫雪に「あぁ」と頷いた。

「大丈夫。‥大したことないからさ」
「そうですか?」
「あぁ。‥それよりも」
「?」
「叔父上達の話は忘れてくれ。あぁやって、からかうのが好きなんだ」
「‥‥」

ジッと見てくる沫雪に盛親は少し困った。

「あ‥、その、別に気にしてなかったなら余計な世話だったね。
気にしているかなって、思ってさ」

しどろもどろになって言い訳すると沫雪が微笑む。

「ありがとうございます」

お礼を言われるとは思わず、不意打ちだったので盛親は赤くなった。

「お兄様?」
「あ、あのさ‥雪」
「はい」
「あぁは言ったけど、俺」
「?」

盛親は言い淀んで、一呼吸し

「雪の事、大切だと思っているから」

と呟いた。
カッと沫雪の頬が赤く染まる。

「雪が嫁ぐとき、正直‥」

猛反対するかも、と呟き目をそらす。

「あの‥」

沫雪も俯き、言葉を濁す。
だが、上目遣いに何度か盛親を見て、微笑む。

「私もお兄様が一番大切です」
「えッ!?」
「お兄様がお嫁さんを頂く時‥」

私、嫉妬するかもしれないですね、と呟いて、嬉しそうに笑う。
その顔に盛親は再度赤くなるのだった。

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