「桜華茶房」の創作戦国についてのログです。
BASARAの創作奥様もここに置いてあります。
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以前UPしていたものを、手直しして上げなおしました。
BASARA小十郎と奥様です。
小十郎の奥様の名前は大河ドラマの方からとらせて頂きました。
大人の女の人が「寂しい」というって話は
初めてだったものでドキドキ‥。
小十郎がどんな奴だったかすらおぼろげな中、書いたという‥(苦笑)
小十郎と蔦は普段ベタベタしないので、
蔦が弱みを見せたときのみベタベタならいいなぁなんて。
しかも、小十郎がやれやれで付き合うなら余計にいいと思います。
BASARA小十郎と奥様です。
小十郎の奥様の名前は大河ドラマの方からとらせて頂きました。
大人の女の人が「寂しい」というって話は
初めてだったものでドキドキ‥。
小十郎がどんな奴だったかすらおぼろげな中、書いたという‥(苦笑)
小十郎と蔦は普段ベタベタしないので、
蔦が弱みを見せたときのみベタベタならいいなぁなんて。
しかも、小十郎がやれやれで付き合うなら余計にいいと思います。
「やだぁもー、冗談~ッ」
キャハハという大笑いに
襖を開けた小十郎のこめかみには怒りマークが刻まれていた。
「あ~、こじゅさんだぁ~」
杯を片手に、いつもの姿からは想像できないくらい
乱れている己の妻に一瞥をくれてから小十郎は怒鳴った。
「誰だ、蔦に許容範囲以上の酒飲ませた野郎はッ!!
酒癖悪いんだよ、この女はッ」
絡み酒とでも言おうか?
見た目はあれなくせに
意外とガードの固い蔦が駄目になるのは何時だって酒のせい。
子供の頃から傍にいる小十郎はこのせいで何度も嫌な目を見ている。
その上、何時だって自分が後始末だ。
政宗だけで手一杯なのに、誰も自分を気遣ってはくれないらしい。
「も~‥なに怒ってんのよぉ~‥馬鹿」
艶っぽい声でしな垂れかかってくる蔦に小十郎は辟易した。
「てめぇも飲めねぇくせに飲むんじゃねぇ」
「五月蝿いわねぇ~、いいじゃない別に」
関係ないでしょ、こじゅさんには。
そう呟いて、蔦がコツンッと小十郎の額をつつく。
”皆、逃げやがったか”
その間も小十郎は油断なく気配を探り、誰もいないことを確かめ呆れた。
また自分に後始末をさせるつもりらしい。
「ちょっとぉ‥私が話しているのに無視しないでよぉ~」
ゆさゆさと揺さぶられて、小十郎は蔦を見る。
その顔は不満そうだ。
「喧嘩なら余所でしな。俺は付きあわねぇからな」
追い払うように手を振り、視線を逸らす。
「喧嘩なんてそんな無粋なことしないわ」
蔦がにこっと笑って、小十郎の手を握る。
「ねぇ、‥遊んでよ」
「酒癖の悪い女と遊ぶ筋合いはねぇ」
「何よ‥政宗様、政宗様って
いっつもかかりっきりなのに誘っても遊んでくれないの?」
「だから、他をあたりな。俺は暇じゃねぇんだ」
「意地悪」
拗ねるような言葉に小十郎は蔦の表情を窺った。
「てめぇ‥」
離さないようにギュッと掴まれた手。
「‥寂しいのか?」
「なによ‥いや?」
甘えたような拗ねたような曖昧な言葉。
「それで自棄酒か?らしくねぇな」
フッと小十郎が笑う。
蔦はしばらくそんな小十郎を見ていたが、ソッと髪に触れた。
「ねぇ、付き合って」
「何に?」
前髪を下ろされながら、静かに小十郎が尋ねる。
「お酒」
蔦の声が同じように囁く。
「いいぜ」
小十郎は蔦を捉えると引き寄せた。
***
「‥頭痛ぇ」
がんがんする頭ともう朝だという事実に小十郎は悪態をつく。
落ちている上着を肩にかけて立ち上がると同時に
「おはよう、こじゅさん」
と蔦が現れる。
別段二日酔いをした訳でもなく、
すっきりした表情で立っている妻に小十郎は余計に苛立った。
「あれだけ飲んで、よく元気だな?」
「あら?そんなに飲んだかしら、私?」
覚えていないとはめでたいものだ。
羨ましいよと内心思って、
小十郎は突然思い出したように蔦の腕を掴んだ。
「なに?」
「もう、‥いいのか?」
「え?」
小十郎の言葉に蔦は少し驚き、そして笑う。
「なに言ってるのよ、大丈夫。‥心配ないわ」
口に出さずとも蔦には通じたらしい。
小十郎の言わんとする部分。
”もう、寂しくないか?”
その一言に蔦は”大丈夫”と目で伝える。
「そうか。‥余計な心配だったな」
小十郎は呟いて、腕を離すと髪を掻きあげた。
「ありがとう、こじゅさん」
他人では分からない蔦の穏やかな表情に
小十郎は僅かに笑みだけ見せて、その場を去った。
終
キャハハという大笑いに
襖を開けた小十郎のこめかみには怒りマークが刻まれていた。
「あ~、こじゅさんだぁ~」
杯を片手に、いつもの姿からは想像できないくらい
乱れている己の妻に一瞥をくれてから小十郎は怒鳴った。
「誰だ、蔦に許容範囲以上の酒飲ませた野郎はッ!!
酒癖悪いんだよ、この女はッ」
絡み酒とでも言おうか?
見た目はあれなくせに
意外とガードの固い蔦が駄目になるのは何時だって酒のせい。
子供の頃から傍にいる小十郎はこのせいで何度も嫌な目を見ている。
その上、何時だって自分が後始末だ。
政宗だけで手一杯なのに、誰も自分を気遣ってはくれないらしい。
「も~‥なに怒ってんのよぉ~‥馬鹿」
艶っぽい声でしな垂れかかってくる蔦に小十郎は辟易した。
「てめぇも飲めねぇくせに飲むんじゃねぇ」
「五月蝿いわねぇ~、いいじゃない別に」
関係ないでしょ、こじゅさんには。
そう呟いて、蔦がコツンッと小十郎の額をつつく。
”皆、逃げやがったか”
その間も小十郎は油断なく気配を探り、誰もいないことを確かめ呆れた。
また自分に後始末をさせるつもりらしい。
「ちょっとぉ‥私が話しているのに無視しないでよぉ~」
ゆさゆさと揺さぶられて、小十郎は蔦を見る。
その顔は不満そうだ。
「喧嘩なら余所でしな。俺は付きあわねぇからな」
追い払うように手を振り、視線を逸らす。
「喧嘩なんてそんな無粋なことしないわ」
蔦がにこっと笑って、小十郎の手を握る。
「ねぇ、‥遊んでよ」
「酒癖の悪い女と遊ぶ筋合いはねぇ」
「何よ‥政宗様、政宗様って
いっつもかかりっきりなのに誘っても遊んでくれないの?」
「だから、他をあたりな。俺は暇じゃねぇんだ」
「意地悪」
拗ねるような言葉に小十郎は蔦の表情を窺った。
「てめぇ‥」
離さないようにギュッと掴まれた手。
「‥寂しいのか?」
「なによ‥いや?」
甘えたような拗ねたような曖昧な言葉。
「それで自棄酒か?らしくねぇな」
フッと小十郎が笑う。
蔦はしばらくそんな小十郎を見ていたが、ソッと髪に触れた。
「ねぇ、付き合って」
「何に?」
前髪を下ろされながら、静かに小十郎が尋ねる。
「お酒」
蔦の声が同じように囁く。
「いいぜ」
小十郎は蔦を捉えると引き寄せた。
***
「‥頭痛ぇ」
がんがんする頭ともう朝だという事実に小十郎は悪態をつく。
落ちている上着を肩にかけて立ち上がると同時に
「おはよう、こじゅさん」
と蔦が現れる。
別段二日酔いをした訳でもなく、
すっきりした表情で立っている妻に小十郎は余計に苛立った。
「あれだけ飲んで、よく元気だな?」
「あら?そんなに飲んだかしら、私?」
覚えていないとはめでたいものだ。
羨ましいよと内心思って、
小十郎は突然思い出したように蔦の腕を掴んだ。
「なに?」
「もう、‥いいのか?」
「え?」
小十郎の言葉に蔦は少し驚き、そして笑う。
「なに言ってるのよ、大丈夫。‥心配ないわ」
口に出さずとも蔦には通じたらしい。
小十郎の言わんとする部分。
”もう、寂しくないか?”
その一言に蔦は”大丈夫”と目で伝える。
「そうか。‥余計な心配だったな」
小十郎は呟いて、腕を離すと髪を掻きあげた。
「ありがとう、こじゅさん」
他人では分からない蔦の穏やかな表情に
小十郎は僅かに笑みだけ見せて、その場を去った。
終
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