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「桜華茶房」の創作戦国についてのログです。 BASARAの創作奥様もここに置いてあります。
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真田昌幸v奥様です。
元々あげてあったものを加筆修正して、
再度あげなおしました。
史実とはだいぶ違うので、信じないで下さい‥。
基本的に創作戦国夫婦は史実とは違う場合が多いです。
ある意味、自給自足なので(汗)
だって、奥様は京の出なので家事云々はしないと思われます‥。
うちの山之手殿は、紅椿(べにつばき)という名前です。
山之手殿の強い性格は、
大河ドラマ『真田太平記』の彼女から頂いています。
ここでの、彼女の「浮気は駄目ですからね?」な性格は素敵ですv
昌幸さん、タジタジです(笑)

もうすぐ戦が近いせいか、
昌幸は先ほどから机に向かって何かを真剣に考えている。

”ふーん‥、こういう顔もするのね”

お茶を運んできて、紅椿は夫の真剣な横顔に軽く驚いた。

”出会ってから、
この年になるまで見てきたけどこんな顔の彼は初めてかも”

人並みより少し男前な顔立ちをしている昌幸だが、
紅椿の前では常にだらしない。
いつでもへらへらしているし、
他の武田武将と比べると何処かピシッとしていない。
息子達にも
「何故母上はこんな父上と結婚したのだ?」と問われるくらい、
紅椿と昌幸は異質な夫婦らしい。
何故結婚したのかは些細な理由だった気がするが、
紅椿は別段異質だとは思ってはいない。
昌幸の隣は自分にとっていやすい場所であり、
もうそこ以外考えられないからだ。
それでも時として、
何故こんな軟派な男と‥と思うときもないわけではない。

”戦の時は、知謀なんて使って腹黒い作戦ばっかり立てているくせに”

家では紅椿に弱い。
思わず、笑ってしまう。
すると気が付いたのか、未だに真剣な瞳のまま昌幸が振り返った。
その視線と目が合ってしまい、さすがの紅椿も少し驚いた。

「あ、‥あぁ、紅か」

何故か狼狽えるように昌幸は急いで、書いていた物を丸める。

「気にしないで続けて良いわ。お茶、持ってきただけだし」
「いや、少し休むよ」

紅椿の制止を聞かず、昌幸は机の上を片づける。

「お!美味しそうな、団子だな!」
「信幸がお土産に持ってきたのよ。幸村にはあげたから、後は貴方の」

皿を昌幸に差し出しながら、紅椿は昌幸の表情を窺った。
先ほどの真剣さはもうそこにはない。

「ねぇ」
「?」

昌幸は団子を口に入れたまま、紅椿を見る。

「どうして、家ではその顔、しないの?」

一瞬の間。
昌幸が狼狽える。

「え?な、なんの事?」
「だから、腹黒軍師様な貴方の顔、家でしないのは何故?」

紅椿は妖艶に笑う。
昌幸が核心を突かれたみたいにますます狼狽える。

「い、いや‥その、あ‥」

口ごもり、昌幸は気まずそうに眼を逸らす。

「ねぇ、何故かしら?私に見せるの、嫌?」
「そういうことじゃ‥」
「私、その方が好きって言ったらどうする?」

昌幸の目が見開いて、驚愕する。

「べ、紅はこれが好きなのか?」
「そう言ったら、どうする?」

昌幸はしばし悩み、言いにくそうに

「好きでいて欲しくない」

と呟く。

「あら?なんで?」
「‥‥」
「格好いいって、言ったら?」

バッと昌幸が紅椿を見る。

「格好いいなんて言って欲しくない!
俺は、作戦を考えている時は誰よりも無慈悲だと思ってる」
「無慈悲?」
「そうだ。女子供の事なんてきっと眼中にない、酷い策を立てている。
酷いときは敵味方関係ない。
そんな策を考えている俺が、どうして格好いいだろうか?
俺は、そんな目で紅を見たくない」

項垂れるように目を伏せた昌幸に紅椿は少し驚いた。
そして、笑う。

「貴方がそんな事考えていたなんてね」
「な、なんで笑うんだ?これでも、紅はあっちが好き?」

紅椿はクスッと笑うと

「そんな訳ないでしょ」

と一蹴する。
そして、昌幸の頬を両手でとらえると顔を近づけて

「私はね、貴方が私でそんな風に狼狽える顔が好きだわ」

と冗談っぽく言った。

「べ、紅‥?」
「非情だとか、残酷だとか言われても貴方は優しい人だって知ってる。
馬鹿な男だって事も。
天下に名を馳せる男をこんな風に困らせる事が出来る、それが私は好き。
だから、その表情が好きだわ」

艶やかに笑う紅椿に昌幸は強張っていた顔を歪め、困ったように笑う。

「紅はいつの間にそんな女になったんだ?酷いなぁ」
「あら、結婚する前からこういう女よ?
貴方がそうとも知らないで私に結婚を申し込んだのが運の尽き」
「そうか‥、それは知らなかった」

苦笑して、昌幸は紅椿の額に軽く口付ける。

「じゃあ、俺はそんな風に笑う紅が好きだって言うよ」
「ふーん、そ。なら、何処かの女と遊んでないで早く帰って来なさい」

紅椿はギュッと頬を抓る。

「うわっ‥手厳しいなぁ、紅は」
「あら?そう?私、他の奥方様よりずっと優しい方よ?
貴方が側室置いても、文句言わないわ」
「‥それもそれで、嫌だなぁ」
「私には貴方だけで十分よ。
貴方みたいな馬鹿な男、一人いればお腹一杯。
もう、欲しくないわ」

笑いながら言う紅椿に昌幸も笑い返す。

「そうだね、紅みたいに笑顔が綺麗な女は他にいないよ。
俺も紅がいれば十分だよ」
「そ?なら、浮気止める?」
「‥考えさせて下さい」

紅椿の言葉に昌幸がまた困った顔をする。


”そんな風な表情をさせられるから、私は貴方が一番好きよ”


紅椿は口に出さずそう呟いて、昌幸の困り顔を見つめた。

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