「桜華茶房」の創作戦国についてのログです。
BASARAの創作奥様もここに置いてあります。
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BASARAの光秀×創作煕子ちゃん。
以前置いていたものを、再度UPしたものです。
多少は、手を加えました‥。
うちの煕子ちゃんは病で顔が見せられないのではなく、
光秀同様変わった性格のため外へ出なかったという設定となっています。
以前置いていたものを、再度UPしたものです。
多少は、手を加えました‥。
うちの煕子ちゃんは病で顔が見せられないのではなく、
光秀同様変わった性格のため外へ出なかったという設定となっています。
静寂な暗い闇が好き。
誰にも邪魔されないし、誰も邪魔しない。
外はあまりにも明るすぎて、そしてドロドロと暗すぎる。
だから、私はこの中から出ない。
このまま一人、面白い人生を歩めばそれで構わない。
それで十分、退屈しないから。
***
「あの子も、もう結婚していい歳だ」
「でも、あんな狂った女を誰が貰う?」
「本当だ。
病だから見せられないと言い続けたが、
無駄に美人だという噂だけ広まってしまった」
「まったく、何処の物好きが広めたものか‥」
また親戚が話す声が聞こえる。
私は別に構わないのに。
「今の生活、結構好き」
それなのに、誰もがお払い箱にしようなんて思っている。
結婚なんて、どうせ退屈なだけ。
誰かに縛られるのは嫌。
だって、自由な方が退屈しない。
「飽きちゃった」
熙子はピョンッと立ち上がると、襖を開けた。
月の出た明るい夜。
「ふふっ、‥お散歩日和」
熙子は楽しげに笑うと外へ出ていった。
***
溶けるような闇の中。
熙子は月に光る紅い花を見つめた。
「綺麗」
闇が怖いと普通の人は言う。
でも、熙子は子供の時から闇が怖くなかった。
闇の中の方が綺麗なものもある。
月、星、蛍、華‥。
そんな熙子を親戚は気狂いだというが別段気にもしない。
自分が”綺麗だ”と思う価値観を人に押しつけたりしない。
自分だけが知っていればそれで良いと思うからだ。
「分け与えてあげる気もないけど」
ふふっと小さく笑って、そのまま見入る。
突如それを影が覆う。
見上げれば、人。
月に映える白銀の長い髪。
一瞬、見とれる。
なんて綺麗なものだろう。
「これは珍しい。‥人と出会うとは」
くくっとその男が笑う。
優しげなのに、何処か底冷えするような声。
「貴方も夜がお好きと見える」
口を弧にし、男は楽しげだ。
「貴方、誰?」
熙子は立ち上がって、男を見返す。
「おや、‥私を知らないのですか?」
「知らない」
初めて見たと、熙子。
「初めて見たけど、貴方ほど綺麗な人、見たことないわ」
その言葉に男は唖然とし、苦笑する。
「女性に綺麗と言われたのは初めてですね」
「あら、変?だって、そう思ったの。私、貴方のこと結構好きよ」
「恐れを知らない方ですね、貴方は」
「恐れ‥って、何?」
熙子の言葉に男は目を細くする。
「こういう事ですよ」
ザッと音がして、熙子の喉元に鎌が突き付けられる。
「怖い、でしょう?」
熙子はキョトンとする。
そして、クスッと笑う。
「貴方も、私と同じなのね」
「は?」
「私と一緒。闇が好きで、暗く静かな所が好きなの。
人生楽しくなくちゃ嫌だし、‥誰もに迷惑がられる存在だけど構わない。
自分さえ、楽しいと思って生きているならどんな風でも一向に構わないの。
違う?」
熙子の言葉に男は一層楽しげに笑う。
「貴方のような方は初めてですよ。私と貴方が一緒。
そうですね、‥酷く似ている」
「そう。‥私、貴方だったら結婚してもいいわ」
「は?」
男は笑うのを止めて、目を丸くする。
「貴方になら束縛されてもいいわ。貴方のお嫁さん、きっと退屈じゃない。
貴方みたいに面白い人、きっとこの世に二人もいないと思うから」
だからねと、笑う熙子に男は目を伏せ、小さく笑う。
「まさか、先にそのように言われるとは思っても見ませんでしたよ。
貴方も十分面白い方だ」
「退屈、しないでしょ?」
「えぇ、退屈しないでしょうね」
「ふふっ、結婚してあげる」
熙子の言葉に男の瞳が僅かに優しげに伏せられた。
――こうして、熙子と光秀は結婚した。
「熙子」
「なぁに?」
「貴方は退屈ではありませんか?」
「退屈?」
ふふっと熙子は笑う。
「退屈じゃない」
「そうですか?」
「貴方が面白いうちは退屈じゃないわ」
だって、同じものを綺麗と思って、同じものを好きって思う。
共有できる人間がいるのって、素敵。
「この生活、私は満足しているの」
貴方と歩む人生に。
終
誰にも邪魔されないし、誰も邪魔しない。
外はあまりにも明るすぎて、そしてドロドロと暗すぎる。
だから、私はこの中から出ない。
このまま一人、面白い人生を歩めばそれで構わない。
それで十分、退屈しないから。
***
「あの子も、もう結婚していい歳だ」
「でも、あんな狂った女を誰が貰う?」
「本当だ。
病だから見せられないと言い続けたが、
無駄に美人だという噂だけ広まってしまった」
「まったく、何処の物好きが広めたものか‥」
また親戚が話す声が聞こえる。
私は別に構わないのに。
「今の生活、結構好き」
それなのに、誰もがお払い箱にしようなんて思っている。
結婚なんて、どうせ退屈なだけ。
誰かに縛られるのは嫌。
だって、自由な方が退屈しない。
「飽きちゃった」
熙子はピョンッと立ち上がると、襖を開けた。
月の出た明るい夜。
「ふふっ、‥お散歩日和」
熙子は楽しげに笑うと外へ出ていった。
***
溶けるような闇の中。
熙子は月に光る紅い花を見つめた。
「綺麗」
闇が怖いと普通の人は言う。
でも、熙子は子供の時から闇が怖くなかった。
闇の中の方が綺麗なものもある。
月、星、蛍、華‥。
そんな熙子を親戚は気狂いだというが別段気にもしない。
自分が”綺麗だ”と思う価値観を人に押しつけたりしない。
自分だけが知っていればそれで良いと思うからだ。
「分け与えてあげる気もないけど」
ふふっと小さく笑って、そのまま見入る。
突如それを影が覆う。
見上げれば、人。
月に映える白銀の長い髪。
一瞬、見とれる。
なんて綺麗なものだろう。
「これは珍しい。‥人と出会うとは」
くくっとその男が笑う。
優しげなのに、何処か底冷えするような声。
「貴方も夜がお好きと見える」
口を弧にし、男は楽しげだ。
「貴方、誰?」
熙子は立ち上がって、男を見返す。
「おや、‥私を知らないのですか?」
「知らない」
初めて見たと、熙子。
「初めて見たけど、貴方ほど綺麗な人、見たことないわ」
その言葉に男は唖然とし、苦笑する。
「女性に綺麗と言われたのは初めてですね」
「あら、変?だって、そう思ったの。私、貴方のこと結構好きよ」
「恐れを知らない方ですね、貴方は」
「恐れ‥って、何?」
熙子の言葉に男は目を細くする。
「こういう事ですよ」
ザッと音がして、熙子の喉元に鎌が突き付けられる。
「怖い、でしょう?」
熙子はキョトンとする。
そして、クスッと笑う。
「貴方も、私と同じなのね」
「は?」
「私と一緒。闇が好きで、暗く静かな所が好きなの。
人生楽しくなくちゃ嫌だし、‥誰もに迷惑がられる存在だけど構わない。
自分さえ、楽しいと思って生きているならどんな風でも一向に構わないの。
違う?」
熙子の言葉に男は一層楽しげに笑う。
「貴方のような方は初めてですよ。私と貴方が一緒。
そうですね、‥酷く似ている」
「そう。‥私、貴方だったら結婚してもいいわ」
「は?」
男は笑うのを止めて、目を丸くする。
「貴方になら束縛されてもいいわ。貴方のお嫁さん、きっと退屈じゃない。
貴方みたいに面白い人、きっとこの世に二人もいないと思うから」
だからねと、笑う熙子に男は目を伏せ、小さく笑う。
「まさか、先にそのように言われるとは思っても見ませんでしたよ。
貴方も十分面白い方だ」
「退屈、しないでしょ?」
「えぇ、退屈しないでしょうね」
「ふふっ、結婚してあげる」
熙子の言葉に男の瞳が僅かに優しげに伏せられた。
――こうして、熙子と光秀は結婚した。
「熙子」
「なぁに?」
「貴方は退屈ではありませんか?」
「退屈?」
ふふっと熙子は笑う。
「退屈じゃない」
「そうですか?」
「貴方が面白いうちは退屈じゃないわ」
だって、同じものを綺麗と思って、同じものを好きって思う。
共有できる人間がいるのって、素敵。
「この生活、私は満足しているの」
貴方と歩む人生に。
終
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