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「桜華茶房」の創作戦国についてのログです。 BASARAの創作奥様もここに置いてあります。
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如水様と幸円様のお話。
拍手だったものです。
以前置いていたものを、再度UPしたものです。
多少は、手を加えました‥。
裏の又長と多少繋がっていますが、なくても全然支障はないです。


「あらあら」

幸円は向かいの廊下をバタバタ走る息子と、
その後ろを困惑顔で追う義理の息子の様子に微笑んだ。

「おや、あの二人は何をしているのでしょうね?」

そんな幸円の横に腰掛け、如水が尋ねる。

「ふふ、仲良しで何よりですわ」
「そうですね」

二人は顔を見合わせて、微笑みあう。

「今日は七夕だから、きっと長政が
願い事を笹の上のほうにつけるとかで困らせているのかしら」

彼が幼い頃、高いほうが願いが叶うと思っていたのを思い出して、
幸円が口にする。

「もう、松寿じゃないのだからそれはないでしょう」

それに如水が笑う。

「私は、二人があんな風に大きくなってくれて嬉しいです」
「幸円?」
「だって、長政がちゃんと生きているって知った時も、
又兵衛殿が戻ってきた時も、どんなにホッとしたことか」
「‥そんなことも、ありましたね。あの時は幸円に苦労をかけました」
「いいえ。‥貴方も無事に帰ってきて下さって良かったわ」
「もう、あんな辛い想いはさせませんよ」

幸円の肩を抱いて、呟く如水に小さく首を振ってみせる。

「いいのです。‥たくさん迷惑かけて下さいな」
「え?」
「私、貴方の奥さんになったときから全てを覚悟していました。
どんな辛いことがあっても、貴方を信じて待っていようと」
「‥‥」
「だから、どうか申し訳ないと思わないで。
私は貴方を信じていますから」

その言葉に如水が赤くなる。

「あぁ‥幸円には敵いませんね」

如水は呟くと

「だから、貴方を選んでよかった」

と続けた。

「まぁ‥」

今度は幸円が赤くなる。

「ずっと、ずっと‥私の妻は幸円だけですよ。
貴方だけいてくれれば、‥私は進んでいますから」
「如水様‥」

二人は向かい合うと微笑みあった。
そこにドタバタと長政と又兵衛が入ってくる。

「母上っ!!この男に情緒とか、
雰囲気という言葉を教えてやってくださいっ!!」
「如水様!長政様が不機嫌なんだがどうしたらいい‥?」

怒ったような顔の長政と困惑顔の又兵衛。
二人を見て、如水と幸円が今度は声を上げて笑った。

「まだまだ心配ですわね、息子たちは」
「本当に」

そう言い合う己の母と父に長政と又兵衛が顔を見合わせる。

「さぁさぁ、喧嘩はお止めなさい。今年の願い事は決まったのですか?」

幸円は立ち上がると二人の間に割って入り、笹を指差す。

「い、いえ‥まだ」

又兵衛が有無を言わせない笑顔にたじろぎ、
長政も気まずそうに口を閉じる。

「なら、早く考えて。
じゃないと、今年は私が一番高いところに
お願い事を書いてしまいますよ?」

ふふっと笑って、幸円が去っていく。

「あ、は、母上、俺が母上のを上に飾りますっ!!」
「幸円様、俺も手伝います」

その後を叱られた子供が母親に
取り入ろうとするように二人がついていく。
その様子を見て、如水は笑い

「さて、今年の私の願いは何にしましょうね‥」

と呟いた。

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